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熱処理まめ知識

3 熱処理は変態の繰り返し

鋼は所定の温度に加熱すると、内部の“組織”が変化します。

純鉄は室温ではフェライト”と呼ばれる組織が、加熱され920℃付近に達するとオーステナイト”という組織に変化します。

もちろん変わるのは名前だけでなく、鉄の仕組み・構造そのものが変化するのです。

この変化を変態と呼びます。


この変態の後、冷却の段階でもやはり変態が起こります。
水や油などで急激に冷やすと焼入れ
空冷ファンなどでゆっくり冷やすと焼きならし
炉内でさらにじっくりと冷ますと焼きなましなどになります。

この加熱と冷却を経ての組織の状態で、硬い、軟らかいなど性質がまったく異なります。

熱処理は、この“変態”をコントロールする技術なのです。

 

※フェライト:酸化鉄を主成分としたセラミックス総称

※オーステナイト:鋼の結晶構造が体心立方から加熱されて面心立方に変化したもの