真っ赤に加熱し、オーステナイト化した鋼を、水や油などで急速冷却し、硬さや強さをもたせる作業を『焼入れ』と呼びます。
刀鍛冶が真っ赤に加熱した鋼を(ハンマーなどで叩いて鍛錬させた後)水槽にジュワーっと浸けて冷やす行為・・・これが『焼入れ』です。
真っ赤に加熱 ⇒ 急速冷却
この流れを経て、鋼は硬くなります(=“焼きが入る”と言います)。
ここでの冷やし方次第で、硬さの具合が変わります。
躊躇してゆっくり冷やしていては、焼きは入りません。
一般的な鋼材(S45CやSCM440など)であれば、
830~860℃に加熱し、その後水冷や油冷など急速冷却
という条件で焼き入れ作業を行ないます。
真っ赤に加熱されて、いきなり急激に冷やされる――
こんな過酷な環境から、鋼は強さを得るのです。
緩んだ状態から引き締めるために厳しい環境で強くなるのは、鉄も人間も一緒ですね。